G20 の観光政策に関する報告書
観光庁ホームページより
目 次
概要 …………………………………………………………..………………………2
背景 ………………………………………………………...................……................3
序文 ...………………………………………………………................……................4
1. 観光政策概観 ……………………....…………………....……………............... 5
1.1 概観
1.2 観光業における優先事項
1.3 観光業における課題
2. SDGs(持続可能な開発目標)に対する観光の貢献の最大化........................7
2.1 概観
2.2 ステークホルダーの関与
2.3 雇用創出と技能向上
2.4 環境保護
2.5 消費者と旅行者への教育
2.6 その他の政策
3. 訪問者と地域社会の双方に恩恵のある観光のマネジメント….…….............12
3.1 概観
3.2 地域社会への恩恵
3.3 観光客の分散
3.4 関連政策のモニタリング
4. 持続可能な観光を促進するためのイノベーションとデジタル化の推進….. 16
4.1 概観
4.2 イノベーションのための官民連携
4.3 文化遺産の保護
4.4 未来への取組み
5. 観光発展のためのスポーツイベントと大規模イベント ………….................. 21
5.1 概観
5.2 スポーツイベントと大規模イベントの事例
まとめ...………..………………………………………………..................................... 23
添付書類 1.回答者一覧…………...…………………….................……................... 25
概要
観光庁は G20 観光大臣会合を全出席者にとって充実したものにするため、G20 メンバー国及び招待国・機関を対象としたアンケートを実施した。参加国の観光施策及び戦略についてより理解を深めるとともに、各国が抱える課題や優先事項について知るためである。このアンケートによって、2019 年 10 月 26 日に開催した本会合の議論がより充実したものとなったと考えられる。
アンケートの内容は主に、SDGs(持続可能な開発目標)に対する観光の貢献の最大化、訪問者と地域社会双方に恩恵のある観光のマネジメント、持続可能な観光を促進するためのイノベーションとデジタル化の推進に関する課題への取組みについてである。G20メンバーと招待国(G20 以外のメンバー)8 カ国及び国際機関へ送付し、そのうち、G20 メンバー16カ国と招待国8カ国及び国際機関より回答を得て、本報告書を作成した。回答率は 89%であった。
本調査により、観光業全般及び持続可能な観光の発展のために、多くの国で総合的な政府の施策が整っていることが明らかになった。観光は特に目標 8、12及び 14といった SDGsの達成へ大きく貢献できるという可能性を各国が認識していることがわかる。各国は、SDGs に対する観光の貢献を最大化するために、ステークホルダーとの協力が非常に重要であるとも付け加えている。
本調査の回答者すべてが、地域社会のためになる観光マネジメントの一環として、配慮がありバランスのとれた包摂的な観光の発展に大いに注目している。すべての国で、意思決定プロセスにおいて地域社会を巻き込み、観光客の流入を分散化させ、持続可能な観光をモニタリングして評価するといった取組みが行われている。
本調査の結果、持続可能な観光を推進する上で、イノベーションとデジタル化が重要であるということも明らかになった。観光分野でのデジタル化がもたらす主な成果に、観光客の体験向上と文化遺産の保護があるが、これらの目標に向けて取り組む上で、官民の連携が必要不可欠な役割を果たしている。その一方で、デジタル化を推進するにあたり、中小規模の観光業者では対応力に限界があり、それが大きな課題となっているという国もある。
背景
持続可能な開発目標 (SDGs)は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人々が平和と繁栄をしっかりと享受できるように行動を起こすための全世界的な呼びかけである。
SDGs は、環境の持続性、社会的包摂及び経済発展に重点を置いている。全世界的に、国内経済に対する観光の役割に関する認識が年々高まってきている。UNWTO 総会で採択された「観光と持続可能な開発目標に関する成都宣言」において、観光は 17 項目の SDGs の達成にとって不可欠な手段であると認められた。観光には、持続可能な消費活動と生産活動によって、自然資源の過剰利用により生じる結果から、次世代の人々を守る潜在的な力がある。
慎重で、配慮に富み、包摂的かつ持続可能な観光により、観光は最も支援を必要としている人々の生命及び生活の向上に直接的な役割を果たすことができる。
日本では、観光は包摂的かつ持続可能な開発において主導的な役割を果たしていると認識されている。日本は、観光が官民連携を通じた 2030 年までの SDGs 達成に貢献することを重要視している。G20 大阪首脳宣言においても、すべての G20 メンバーは、SDGs における観光分野の貢献を最大化することに合意した。
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