iPS細胞ストック事業への支援についての不透明な意思決定に関する質問主意書

衆議院ホームページ 質問主意書より


提出者  早稲田夕季

iPS細胞ストック事業への支援についての不透明な意思決定に関する質問主意書

 二〇一九年十一月二十七日の科学技術・イノベーション推進特別委員会における、京都大学iPS細胞研究所が行っているiPS細胞ストック事業への支援打ち切りの動きについての私の質問に関し、理事会協議事項となった件について、十二月九日の同委員会において、政府から説明があったものの、津村啓介委員長は、「政府の説明は、報道されている山中先生の発言内容との関係において、なお確認を要する部分がある旨、この間の理事会等でも議論があったところでございます。委員長といたしましては、今後とも理事会、委員会において継続して協議をお願いいたします。」と発言されている。このことに関し、以下質問する。

一 十二月九日の同委員会において、内閣官房健康・医療戦略室渡邉その子次長は、「内閣官房から、二〇年度から支援をゼロにすると伝えた事実はございません。」と発言したが、私が再三にわたり求めているにもかかわらず、そのように伝えられたと公言している山中伸弥所長に今日まで事実確認を取らないままであるのは、立法府に対してきわめて不適切な対応なのではないか。相手の了解を得ぬままに、一方的に発言の事実を否定するのは、なんの根拠もなく虚偽答弁と言われても仕方がないのではないか。

二 二〇一九年八月九日、京都大学iPS細胞研究所に対して、健康・医療戦略室の和泉洋人室長と大坪寛子次長が示した「iPS細胞ストック製造事業法人化の進め方」という表題の資料を、私は二〇二〇年一月十五日に内閣官房の国会連絡室を通して資料要求したところ、資料の存在は認めたものの、提出の手続きに時間がかかっているとのことで、一週間以上経ってもいまだに示されていない。この資料は、どのような手続きにより決定されたのか。具体的にいつ誰が原案を作成し、いつどのような会議に諮って、いつ誰の、どのような役職者の了承や裁可を経たものなのか。適切な手続きを経ずに一部の官僚の独断で作成したからこそ、国会議員の資料要求に応じるための手続きにこれだけ時間がかかっているのではないか。

令和二年二月四日

内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員早稲田夕季君提出iPS細胞ストック事業への支援についての不透明な意思決定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員早稲田夕季君提出iPS細胞ストック事業への支援についての不透明な意思決定に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の発言については、iPS細胞ストック事業への支援の在り方について専門家から御意見を伺う過程において、令和元年八月九日に山中伸弥京都大学iPS細胞研究所長と意見交換を行った際に、内閣官房健康・医療戦略室から令和二年度から支援をゼロにすると伝えた事実はない、との同室の認識に基づき述べたものである。

二について

 御指摘の資料は、iPS細胞ストック事業に関する令和二年度以降の予算等の検討過程において、内閣官房健康・医療戦略室が内閣官房健康・医療戦略室長までの了承を得て作成したものである。

à suivre

今を考えるため情報源を文字として残したい。 そしてまた後日、それを読み返してみたい。 自分自身で考えることをやめないように。