法務大臣経験者への家宅捜索に関する質問主意書
参議院ホームページより
令和二年一月二十日
熊谷 裕人
参議院議長 山東 昭子 殿
法務大臣経験者への家宅捜索に関する質問主意書
法務省設置法第三条では、「法務省は、基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、国の利害に関係のある争訟の統一的かつ適正な処理並びに出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることを任務とする」と規定されている。
令和二年一月十五日、広島地方検察庁の職員が公職選挙法違反の疑いで前法務大臣の河井克行衆議院議員の事務所に家宅捜索を行った。
これを受け、河井克行衆議院議員と妻の河井あんり参議院議員は同日夜にそれぞれ会見した。この会見について与野党からは厳しい声が上がっている。特に、河井あんり参議院議員は、一連の報道以後、説明すると言いながら本会議を全て欠席しており、国会議員としての職務を放棄しているとの批判がある。政府・与党内からも「世間をなめている」、「二人はもう議員辞職すべきだ」などと厳しい声が上がっていることも報じられている。
右を踏まえて、以下質問する。
一 法務大臣ないしは法務大臣経験者で、国会議員在任中に検察から家宅捜索を受けた事例はあるのか。
二 法務大臣経験者が検察庁から家宅捜索を受けることそのものが異常事態であり、遺憾と言わざるを得ない。法務省設置法第三条の規定に鑑みると、右の事例は法務大臣ないしは法務大臣経験者としては著しく不適切であると言わざるを得ないが、政府の見解如何。
三 令和元年十月三十一日、安倍総理は記者会見し、「私としては、河井大臣の意志を尊重することといたしました。河井大臣を法務大臣に任命したのは、私であります。こうした結果となり、その責任を痛感しております。国民の皆様に深く、心からお詫びを申し上げたい」、「菅原大臣に引き続いて、河井大臣が辞職するという結果となったことについて、厳しい御批判があることは真摯に受け止めなければならない」と発言しているが、前法務大臣の事務所に検察庁が家宅捜索を行ったことについての安倍総理の見解如何。
四 前記三に関連して、安倍総理の任命責任は当然として、法務大臣に任命した者として、安倍総理から河井克行衆議院議員にきちんと国民に対して説明を行うべきだと促してはどうか。安倍総理の見解如何。
五 前法務大臣の事務所に検察庁から家宅捜索が行われたことは、「基本法制の維持及び整備、法秩序の維持、国民の権利擁護、国の利害に関係のある争訟の統一的かつ適正な処理」という法務省の任務に著しく不適切な異常事態と言わざるを得ない。河井克行衆議院議員は議員辞職すべきだと考えるが、政府の見解如何。
令和二年一月三十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山東 昭子 殿
参議院議員熊谷裕人君提出法務大臣経験者への家宅捜索に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
参議院議員熊谷裕人君提出法務大臣経験者への家宅捜索に関する質問に対する答弁書
一から三までについて
お尋ねは、具体的な事例における捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、お答えすることは差し控えたい。
四及び五について
お尋ねは、河井克行衆議院議員の政治家個人としての判断に係るものであり、政府としてお答えする立場にない。
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