ねんきん定期便に関する質問主意書

参議院ホームページより


令和二年一月三十日

塩村 あやか

       参議院議長 山東 昭子 殿

   ねんきん定期便に関する質問主意書

 政府は消えた年金の問題を受け、ねんきん定期便を被保険者に年に一度届けている。転居や転職で住所変更届を出していない場合、ねんきん定期便が未送達となることがあるが、転居も転職もしていない人からねんきん定期便が届かないと相談を受けることがある。相談を受け調査をした結果、当該被保険者は転居も転職もしておらず、また、一切の未納や延滞もないにもかかわらず、十年以上も前に未送達として返送されていた。さらに厚生労働省に確認をした結果、たった一度未送達となっただけでその後一切の送付をしていないことが分かった。

 上記を踏まえて、以下、質問をする。

一 ねんきん定期便が届かないという被保険者からの連絡は年間どのくらいあるのか。ねんきん定期便開始後の件数を年度ごとに明らかにされたい。

二 ねんきん定期便が返送されてくる数は年間どのくらいあるのか。ねんきん定期便開始後の件数を年度ごとに明らかにされたい。

三 ねんきん定期便が未送達となっている被保険者の総数を政府は把握しているのか。把握しているならばその数を明らかにされたい。

四 ねんきん定期便が未送達となる理由について、政府の見解を明らかにされたい。

五 ねんきん定期便が未送達となり返送されてきた場合、日本年金機構ではどのように対応しているのか。

六 前述の事例のように、被保険者に一切の落ち度がないにもかかわらず、ねんきん定期便が未送達となっている場合もある。一度の未送達でその後一切の送付をやめてしまうのは、保険料を納付し続けている被保険者に対して、責任を果たしているとはいえないのではないか。住所変更が確認できない場合は、複数回にわたって未送達になるまで送付を続けるなどの改善が必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

令和二年二月十日

内閣総理大臣 安倍 晋三

       参議院議長 山東 昭子 殿

参議院議員塩村あやか君提出ねんきん定期便に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

   参議院議員塩村あやか君提出ねんきん定期便に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「ねんきん定期便が届かないという被保険者からの連絡」の件数については、統計をとっていないため、お答えすることは困難である。

二について

 ねんきん定期便の送付を開始した平成二十一年度から平成三十年度までの各年度のねんきん定期便の返送件数は、平成二十一年度は約百十三万件、平成二十二年度は約百四万件、平成二十三年度は約百二十一万件、平成二十四年度は約百十万件、平成二十五年度は約百十三万件、平成二十六年度は約八十六万件、平成二十七年度は約八十七万件、平成二十八年度は約八十二万件、平成二十九年度は約八十四万件、平成三十年度は約八十六万件となっている。

三について

 御指摘の「未送達」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、ねんきん定期便が届いていない被保険者の総数については、把握していない。

四について

 御指摘の「未送達」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、送付されたねんきん定期便が返送される理由については、個別の事案によって様々であるため、一概にお答えすることは困難である。なお、一般的には、被保険者からの住所等の届出又は住民基本台帳ネットワークシステムから提供を受けた住所の変更に係る情報により社会保険オンラインシステム上に登録されている住所等に基づきねんきん定期便に記載される住所等とねんきん定期便が送付された時点で被保険者が居住している住所等が異なることによるものと考えている。

五について

 日本年金機構においては、ねんきん定期便が返送された場合、当該ねんきん定期便が返送された被保険者に係る情報を管理した上で、翌年度以降の送付を停止することとしているが、被保険者からの住所等の変更の届出又は住民基本台帳ネットワークシステムから提供を受けた住所の変更に係る情報により社会保険オンラインシステム上に新たな住所等が登録された場合には、ねんきん定期便を改めて作成し、変更後の住所等に送付することとしている。

六について

 ねんきん定期便が返送された場合のうち、社会保険オンラインシステム上に新たな住所等が登録されない場合については、住所等の変更の届出を行わないまま転居したこと等が考えられ、返送された原因を確認できないまま同じ住所に送付し続けることは、個人情報の保護等の観点から慎重であるべきものと考えている。今後も、ねんきん定期便が届いていない被保険者からの相談の機会等を通じて、その原因を個別に確認することにより、被保険者にねんきん定期便が確実に届くようにしてまいりたい。

à suivre

今を考えるため情報源を文字として残したい。 そしてまた後日、それを読み返してみたい。 自分自身で考えることをやめないように。