「Go To トラベル」キャンペーンに関する質問主意書
衆議院ホームページ 質問主意書より
提出者 西村智奈美
「Go To トラベル」キャンペーンに関する質問主意書
新型コロナウイルス感染症への対応として、四月三十日に成立した令和二年度第一次補正予算に「Go To キャンペーン」が盛り込まれた。感染が拡大し外出や移動の自粛要請がなされていた段階で時期尚早の補正予算事業と思われたが、緊急事態宣言が五月二十五日に全面解除され、今なお苦戦が続く旅行業・宿泊業への応援になればと願うところである。しかし六月上旬現在でも詳細は明らかになっておらず、運営事業者への委託費が最大三千九十五億円と事務経費がかかりすぎであることが問題になり、政府は事業者の公募をやり直すことになった。他方、キャンペーンの事業スキームについては、政府からの公表をもとにJATA(一般社団法人日本旅行業協会)がその内容をアナウンスし、事業所が先取りして消費者向けの広報をすでに行うなどしている。しかしその広報を見た事業者や消費者から、キャンペーンの内容説明としておかしいのではないかとの指摘がある。そもそも政府からの公表内容が、スキームの実態を正しく表していないと思われる点があるので、以下、質問する。
一 「Go To トラベル」キャンペーンの詳細はいつ頃明らかになるか。
二 すでにJATAからのアナウンスにより、「一泊二万円の場合、一万円が補助額、内訳は旅行代金の割引が七千円、現地利用クーポン三千円となり、旅行代金の支払額は一万三千円となる」という利用イメージが、複数の旅行代理店のホームページなどで示されている。地域共通クーポン三千円を消費者が望んでいない場合も支払額は一万三千円となるか。
三 全食事・観光付きツアー参加者で地域共通クーポンを必要としない旅行者もいると考えられるが、そうした旅行者も地域共通クーポンを購入しなければならないのか。
四 地域共通クーポンを旅行代金割引と分けて説明しなければ、「旅行商品価格の二分の一が支援額となる」という説明は不正確ないし虚偽になるのではないか。
五 「旅行商品価格の二分の一が支援額となる」という政府の説明表現は不正確であり、旅行・宿泊代金は三十五パーセントの割引、十五パーセントを地域共通クーポンとして付与、という説明が正しいので、そのように政府は説明し、JATAにも正しい理解を求めるべきではないか。
六 「Go To トラベル」キャンペーンについては、観光庁から詳細は明らかになっていないものの、JATAからの説明をもとに「一泊二万円の場合、一万円が補助額、内訳は旅行代金の割引が七千円、現地利用クーポン三千円となり、旅行代金の支払額は一万三千円となる」との内容を旅行代理店がすでにホームページなどで広めている。地域共通クーポン三千円を消費者が望んでいない場合も支払額は一万三千円となる。しかし、全食事・観光付きツアー参加者で地域共通クーポンを必要としない旅行者もいると考えられる。地域共通クーポンの購入が必須であるとすれば、旅行代金の二分の一が補助されるというキャンペーンの説明とは異なるのではないか。旅行代理店等は、地域共通クーポンについて、旅行代金割引と分けて消費者に対して説明しなければならないと考えるが、そうしなかった場合、消費者行政から見たときにどのような問題があるか。
答弁書
一について
お尋ねは、「Go To トラベル事業」に係るものであると理解するが、当該事業の詳細を公表する時期については、現時点でお答えする段階にない。なお、国土交通省においては、令和二年六月十六日に当該事業の現時点での案を公表するとともに、当該事業における運営業務を行う事務局の公募を開始したところである。
二から五までについて
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、「Go To トラベル事業」においては、旅行商品の購入者に対して、旅行・宿泊料金の割引と旅行先の地域で使用できる「地域共通クーポン」の付与との合計で、一人一泊当たり二万円、日帰りの場合一人当たり一万円を上限として、旅行・宿泊料金の二分の一に相当する額を支援することを検討しているところである。
なお、政府としては、当該事業の具体的な内容が確定次第、関係事業者等に対して適切に周知してまいりたい。
六について
「地域共通クーポンの購入が必須であるとすれば、旅行代金の二分の一が補助されるというキャンペーンの説明とは異なる」とのお尋ねの意味するところが明らかではないが、一般的に、旅行業者等(旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第十一条の二第一項に規定する旅行業者等をいう。)に対しては、消費者保護の観点から、同法第十二条の四に規定する取引条件の説明等の義務が課されている。
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